あなたを待っている
4
しばらくして、私は、顔を上げた。

たなくんは困った顔で私を見ていた。

『ごめん…。たこ。俺、お前のこと、子供扱いしたつもりなんて、なかったんだよ。』

たなくんは、私の頭をぽんぽんとしながら言った。

『私こそ、泣いたりして…ごめんなさい…。帰ろ?』

『……………。』

『たなくん?』

『あっ…。ごめん。たこ…。もし良かったら、今からメシでもどう?』

『えっ?でも、たなくんの彼女、ご飯作って待ってるんじゃないの?』

『いや。大丈夫だよ。』

『でも…。』

躊躇う私の手首を掴むたなくん。




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