2・5次元の彼女
第4章 あなたが答えてくれたから
***第4章***



私の職場から繁華街を抜けて20分ほど歩いたところにある大型の公園。
良く晴れた平日の午後、私とHARUは約束を果たすべく、カメラ片手にこの場所を訪れた。
写真を撮るにはもってこいの青空だ。

HARUは私のために有給を取ってくれた。
そうでもしないと、土日勤務が必須の私と予定を合わせることができないからだ。

申し訳なく謝る私に
「平日の真っ昼間から公園でのんびり過ごせるなんて、幸せだな」
HARUは明るくそう言ってくれた。

平日にも関わらず、園内には家族連れやカップル、そしてランニングや犬の散歩を楽しむ人々で賑わっていた。
中央の広場を抜けると水が張られた水景のモニュメントがあり、舗装された道の両端にはベンチが並んでいる。
しばらく進んだところに小さな花の咲く庭園を見つけ、私たちはそこで足を止めた。

「じゃあ、さっそく撮ってみようか」
バッグから取り出したデジタル一眼レフカメラを肩から提げて、HARUが言った。

私は私でマイデジカメを持参している。
近くにあった花を液晶画面に収め
ぱちり
私はシャッターを切った。

出来上がりの画像を見て私は首を傾げる。
一応枠には収まった。
が、どうしてだろう、HARUの撮る写真と比べて全く風情が感じられない。

HARUが私のデジカメを覗き込み
「おー、ど真ん中いったねぇ」
なんだかいまいちダサい仕上がりに失笑した。
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