色々な恋愛覗いていきませんか?*短編詰め合わせ。
狂愛男子。




「アリスせんぱーい!」





元気いっぱいにあたしの名前を呼んだ彼にあたしはため息をつきながら振り向く。





「…なに?」


「アリス先輩に今日も会えるなんて、やっぱり僕たち運命の赤い糸で結ばれてるんじゃないですか⁉︎」





興奮気味に言って近寄ってくる彼にあたしはまたため息をつく。





「あたしは運命とか信じない主義なの」


「でもでも、僕らがこうやって一緒に時間を過ごしてるのって運命の赤い糸で結ばれてないと無理ですよね」





あたしの意見をズバスバ切り捨てて、自分の良いように持ってく彼。





「…あたしに好きな人がいても?」





その言葉に彼は大きく目を見開くと、あたしの肩をガッと掴んできた。






「いたっ…」


「それ誰ですか?」







いつも優しそうな彼の瞳は嫉妬心でかイライラしていた。





「…じょ、うだん」




やっと絞り出した声は震えていた。




「やっぱり冗談ですよね。
だって僕と先輩は運命の赤い糸で結ばれてるんですもんね」





そんなあたしを安心させるように笑った彼は、







「もしも本当にアリス先輩に好きな人がいたら、その相手殺しちゃうかも」







見惚れるような笑顔を浮かべながら、ゾッとするようなセリフをはいた。





fin.
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