色々な恋愛覗いていきませんか?*短編詰め合わせ。
保健室の先生。





「…ん、んー」


「こら、宇佐美起きろ」




保健室のベッドの上でゴロンと寝返りをうつ。



「…はぁ」




後ろから聞こえてきた先生のため息に身体がビクッと反応する。




「全く。宇佐美は何で拗ねてんだよ…」





あたしの寝ているベッドに腰をかけた先生は少し機嫌が悪そうにつぶやく。



それは、先生が他の女の子に笑いかけてたからじゃん!



…なんて言えることは出来ず無言で頭まで掛け布団を引き上げる。






「…俺だって拗ねたいことあるんだけど」





そう言った先生はあたしの掛けていた掛け布団を勢いよく剥ぎ取りあたしの両腕を片手で簡単に押さえつけた。





「…せんせ?」




それにビックリしつつ先生に渋々視線を向ければふて腐れされた顔の先生。





「…俺以外の男に愛想振りまいてんじゃねぇよ」





そう言って噛みつくようなキスの雨を先生は降らしてくる。




「ん、いやぁ…」


「嫌じゃねぇだろ」




鋭くあたしを睨めつけると、今度は首筋に顔を埋めてきた。





「…いっ、」





首筋にチクっとした鈍い痛みがしたと思ったら、先生は満足そうに顔を上げた。





「宇佐美、俺以外の男に愛想なんて振りまくんじゃねぇーぞ?」


「先生だって、あたし以外の子に笑いかけてた…。


それに、あたしの名前呼んでくれないじゃん…」





目の前がぼやけてきて、先生に涙を見られたくなくて急いで目を瞑る。




「お前、ここがどこだかわかってんのか?」


「…保健室」




あたしの答えに、はぁ。と、ため息をついた先生は、





「今俺たちがいるのはベッドの上。
しかも、好きな女にそんな可愛いこと言われたら理性保てるわけねぇだろ。





覚悟しとけよ?




あやめ」





fin.
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