恋する淑女は、会議室で夢を見る
可愛いは三文の徳

*...*...*...*...*



ドレッサーの前に座って、
あらたまって自分を見てみるのは、いつ以来だろう…。


顔を包み込む、少し短めの髪。

自転車で髪が乱れても手グシでサッと整えられるように、
レイヤーの入った毛先は軽くパーマがかかっている。


――やっぱり… 少しはブローしたほうがいいかなぁ

…唇は
  もともと血色がいいから 口紅をつけても大して変わらないし

と、言い訳をしながら
会社の女子達の口元を思い出す。


――色というより キラキラだったり艶々だったり
 何かしか塗っていた…


ハァ…



つけ睫毛まではしなくてもいいよね? と思っているうちに

真優はふと、
自分の顔の嫌いなところが目についた。



小さくはないけれど目尻が少し上がっている目
まずここが気に入らない。


―― なんて気が強そうな目なんだろう…

   女の子らしい タレ目が可愛くていいのに…

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