彼と私の秘密の恋
離れた二人
あれから、幸多とは連絡を取っていない。


ライブが終わって一度


『別れよ。これからも応援してる。ありがとう。』



とメールしてから連絡してない。


幸多からは何度か着信もあったし、メールもきた。


電話も取らなかったし、メールも開かずに削除した。



ここまでやれなきゃ、幸多と別れることなんて出来なかった。


油断すれば涙は出てくるし、『会いたい』って言ってしまいそうだし。


今日だってそうだ。たまたま幸多達の曲を聞いただけで泣きそうになる。


幸多と通った道、店。


幸多と過ごした地元は、幸多との思い出でいっぱいで。


「はぁーもう。地元つらー。」


私は鼻水をすすりながら自転車をもうダッシュする。


カフェに着くなり私の顔を見た山下さんに、

「ひっでぇな……」


と言われてしまう。


幸多と別れてから山下さんに正式に告白されたけど、誰かと付き合うなんて考えられなくて断った。


山下さんは、「焦ったかー。」なんて言ってたけど、前と変わらず優しくしてくれる。


「……なぁ。そんなに辛いならなんで別れたんだよ。」


山下さんが聞いてくる。


「何ででしょうね。もぅ私にもわかりません。」


あれでよかったのかなんて、わからない。


でももう、結果として終わったんだ。


もうきっと幸多とは二度と会わないのかもしれないな。


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