あの頃の君へ
二人で



***



「吉岡、これ15部ずつまとめて、終わったら会議室で明日の準備しておいてくれ」



「…はい、わかりました」



時は経ち、私は社会人二年目の夏を迎えていた。



はぁ、どうしようか。


今日は彼が泊まる日なのに、絶対的残業決定……。



“ごめん!残業になったからご飯先に食べててね”



の、返信が……



「“バーカ”?」



いやいや、こっちだって好きで残業してるわけじゃないです……!



「おい、吉岡終わったら次これなー」



……こんの鬼畜部長っ!!!



何て言えずひきつった笑顔で頷く。



あぁ、学生に戻りたい……


なんて学生である彼を思い出していると、コピーに入れた書類が刷り終わりの合図を告げた。



よしっ、あと一息頑張りますか!




< 53 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop