天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
訳わからん!
というわけで、見知らぬ美女に口説かれて、素直にうんと頷いた僕は、なぜか異世界に来ていた。


異世界といっても…知ってる町と、あまり変わらない。

ただ違うことは、周りに魔法を使うやつや、剣士とかいるぐらい。


(でも…服装が変わらないんだよな…)

「何を望んだ!ファイナルファンタジ○みたいなのか!」

僕の思考を読んだアルテミアが、毒づいた。


(全然…伏せ字になってないんだけど…)

学生服で、町をさまよう僕に、周りは大して騒がない。


夢の中で、無理矢理つけられたピアスから、声がする。

「何か食べようぜ!」

僕は、うっとおしくなって、ピアスを取ろうとするけど、外れない。


「無駄な努力は、いい加減やめろって」

ピアスからの声が、ため息をつく。



「はぐれゴブリンだ!」

突然、誰かが叫び…

町中が、パニックになる。

みんなが建物に隠れる中、ぽつんと道にいるのは…僕1人。

訳が分からず、立ちすくんでいると、

目の前に、3メートルはあろうかという…

化け物がいつのまにか立っていた。

現実離れしている為、少しぽかんとしてしまう僕の鼻先スレスレに、

酸性の臭い唾液が、滴り落ちた。


「え!」

遠吠えとともに、ゴブリンの拳が、僕のそばの焼き肉店を破壊した。
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