天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
炎を纏えば
夜。

再び、眠りについた僕に、アルテミアが叫んだ。

「てめえ!何てこと、しやがった!ぶっ殺すぞ」

「え…」

闇の底に、墜ちていく感覚の中、

僕は戸惑いに、包まれていた。

「とにかく!早く、指輪を取り返せ」

それが、アルテミアの最後の言葉になるなんて…。






僕はまたか、異世界に来た。

しかし、いつものようにピアスから、アルテミアの声が聞こえない。

(今日は、魔物が襲ってこないからかな?)

町には、人々が行き交い、日常の熱気に包まれていた。

こうして、ただ町を歩くだけなら、僕の世界と変わらない。

暇なので…ぶらっと、通りにある本屋に入った。

ファション雑誌やコミックなど、置いてある本の種類も、あまり変わらない。

「半年で、2000ポイントをゲットできる方法?」

ベストセラーコーナーにあった。

人混みをかき分けて進むと、

何か怪しいコーナーがあった。

「何だ…これ」

僕は、一冊の本を手に取った。

「科学は、実在する…魔法なくても、生きてゆく…上手な節約方法」

アルテミアが言ったように、この世界では…科学は迷信みたいだ。

魔法を使わなくても、

つまり、ポイントを使わなくても、

過ごせる方法が、書いてあった。
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