*総PV2億突破御礼*完
二次審査

オーディションの一次審査の結果が届いてから1週間が経った。

二次審査を来週に控えている。


二次審査は、歌唱力と水着での写真撮影の審査だ。

歌唱力は自分の好きな曲を一曲披露すればいいとのこと。

水着は持参したものを着て、カメラの前に立って写真を撮ればOKらしい。


一次の合格通知と一緒に送られてきた二次審査の詳細に目を通してテーブルに置きながら、大きなため息をついた。


「もう小春ってば、ため息つくとせっかくの運が逃げちゃうよ」

「あー……うん、そうだね」


ため息ばかりつくあたしを窘めてくれるのは、なっちゃんだ。

講義終了後、レッスンまで時間が少しあったので構内のカフェテリアにやって来た。

人もそこそこいて、カフェテリア内は賑わっている。


最近のあたしだったら、ちょっとの時間でもあれば高瀬さんのいるカフェへ行っていた。

今日も時間はあるんだから、行こうと思えば行けるのだけど。


「なに? あの金髪の女が気になるの?」


「うん……」


小さく頷いて、先週初めてカフェへ来た彼女のことを思い出す。

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