午前0時、夜空の下で
第5話
――ピチャン……

ふ、と。

響き渡った水音に、心は瞼を震わせた。

ゆっくりと目を開ける。

「……っ、」

起き上がろうとした瞬間、強張った身体が悲鳴を上げる。

それでも、全身に力を入れて起き上がった彼女が目にしたのは、鉄格子だった。

――閉じ込められてる。

ぐるりと辺りを見回すと、佐伯の洋館にあった地下牢とどこか似通った場所だと気づく。

しかしあの日、妃月によって鉄格子は溶かされてしまったのだから、少なくとも洋館の地下牢ではないことは明らかで。

「…ここ、は……?」

必死に頭を働かせ、ようやくメイジーのことを思い出した時。

「やっと起きたか」

突然降ってきた野太い声に、心は全身を硬直させた。
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