駅前ベーカリー
悪夢を見たから抱きしめて
< 30 / 30 >
この作家の他の作品
表紙を見る
最初はただ、美味しいものが食べたくて
それは少しずつ、癒しの時間になっていって
気付けばただの店員さん、とは言えなくなった
「今日のおすすめのパスタ、ですよね?」
ふにゃりと笑う顔が可愛い年下大学生くんは
私の4年、後ろを歩いている
ひどく疲れた顔も、少しだけ明るい顔も
段々小さな変化に気付けるようになって
返してくれる笑顔に、胸の奥がとくんと鳴った
「今日もすっごく美味しい。癒される~。」
ほんのり赤みがさした頬を膨らませながら
食事を楽しむ年上社会人さんは
4年先を歩いている
二人の歩幅が揃うまで
「年下ワンコを飼ってます」
「俺の彼女が一番可愛い!」
の綾乃と健人が出会って
二人が自然に隣にいるようになるまでのお話
表紙を見る
「ねぇーねぇー綾乃ちゃん。」
「はいはい、なぁに?」
大型犬みたいに大きい体に
ギュッと強く抱き締められれば
ほのかに香る甘い匂いに
心の底から安らぐの
『年下ワンコを飼ってます』
主導権はあたしにあるようで、
実はそうでもないかもしれない。
「綾乃ちゃん。」
「なにってば。」
その先の言葉はいつだって一緒。
『今日も大好き!』
表紙を見る
忘れられない男の子がいた。
近所に住む、グレーの瞳の男の子。
瞳が大きく色白な、天使のようなそのルックスに柔らかな歌声で、よく歌ってくれていたっけ。
そんな君が聖なる夜に
まさか再び現れるなんて。
それはきっと、過去に置いてきた初恋
サンタクロースに願ったもの
サンタクロースさん、
どうかあなたも幸せになって。
嬉しい気持ちを届けるサンタクロース。
今も昔も君はずっと
わたしのサンタクロースだったのかも
……しれない。
「待ちくたびれたよ、ひかりちゃん。
僕のこと、覚えてる?」
忘れられるはずのない君は再び
私の目の前に現れた。
サンタクロースは君だった。
恋をするのは、君が最初で最後なんだ。
2016年クリスマス中編(予定)
執筆開始
2016.11.12
2017.2.19
完結しました!
この作品を見ている人にオススメ
読み込み中…