熱愛系エリートに捕まりました
♡06
薬師丸さんに導かれるままに、レストランを出てシーナ・ブリリアントホテルのフロントがある42階に移動した。

オフィスビルのワンフロアとは思えない、壁から天井、柱に至るまで豪華に、だけど上品に飾られたロビーで、ふかふかのソファに座らせられる。


「チェックインしてくるから待ってて」

「は、い」


緊張しながら頷くと、薬師丸さんははにかむように微笑んでフロントに向かった。

その後ろ姿を遠目にちらちら眺めながら、内側から熱を持って熱くなる全身を持て余した。


遂に、そのときが来たのね…


むしろ、最初がああだったのに、それからずっと手を出されなかった方が考えてみれば不思議なくらいだわ。

彼は、なかったことにしようとするわたしに、これで終わりにしたくないと関係を続けることを望んだのに。
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