Spice‼︎
彼女の存在
結局、明け方まで風間は梨花の側に居てくれた。

梨花はシャワーを浴び、
会社に行く支度をした。

そしていつもの様に地下鉄に乗って
梨花の日常に戻る。

「おはようございまーす。」

茉美がご機嫌な様子で挨拶してきた。

「梨花さん、聞いてください!」

茉美は梨花を無理矢理デスクから離し
休憩室に連れて行った。

「朝からどうしたの?週末いいことあった?」

茉美は少し勿体ぶっている。

ホントは喋りたくて仕方ないのに…と梨花は冷めた目で見てる。

「あれ?梨花さん、クマ出来てますよ?

休日忙しかったんですか?」

「え?まぁ、ちょっと寝不足で…」

風間のことが頭に浮かんた。

「それより何かあったの?」

「え?聞いちゃいます?」

「喋りたくてたまらないって顔してるけど…」

「実は…営業部の風間さんと付き合うことになりましたー。」

満面の笑みで茉美が自慢げに話しているが
梨花には日本刀でバッサリ切られた様な衝撃だった。

「そ、そうなんだ?良かったじゃん?

それで…週末はデートに?」

梨花は週末風間とはいっしょに居なかったとわかっていてワザと聞いた。

「それが…週末は忙しいって断られました。」

「そっか。じゃあ仕事に戻ってもいい?」

「あ、はい。」

休憩室に戻る途中で桐原とすれ違った。

「今夜逢えませんか?」

梨花は桐原を自分から誘った。

「珍しいな。いいよ。じゃあいつもの場所でな。」

桐原からいつもの香水の匂いがして
梨花は落ち着く。

そしてデスクに戻るといつもの様に仕事をテキパキとこなしていった。






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