イジワル社長は溺愛旦那様!?
上司と部下に、なる前の・二

「あなたにキスしたい。いやなら俺を突き飛ばして逃げてください」



そしてそれは出会って三日後のこと――。




とりあえず過度の疲労とストレスから逃れた夕妃は退院し、主に服薬とカウンセリングで治療を行うことが決まった。

とはいえこの状況ではカウンセリングどころではない。

とりあえず落ち着くまで自宅に戻るのは念のため避けようということで、朝陽と一緒に湊のマンションに一時住まわせてもらうことになった。

まさか住むところまで世話されると思っていなかった夕妃は焦ったが、朝陽は「ラッキーだよなー」と単純に喜び、湊についていくというので、慌ててしまった。


(そこまでお世話になるわけにはいかないでしょ……!)


病院の駐車場に向かうエレベーターの中で、夕妃は首を振りメモを書く。


【ビジネスホテル】


ホテルに泊まるという意思表示のつもりだった。
だが神尾はそのメモを見て目を細める。


「ホテルではくつろげないでしょう」


そしてにっこりと笑って、「そうだそうだ」とうなずく隣の朝陽に目線を向けた。


「それにもう、朝陽くんに荷物は運んでもらってますよ」


(ええっ!?)


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