マ王の花嫁 
「な、何故そのようなことを、お聞きになるのですか?ジョセフィーヌに決まっているではないですか」

私の答えに満足をしていないのか、ライオネル王は、私のウエストに置いている大きな手に、一瞬力を込めた。

「おまえの父上であるドレンテルト王が、宴の途中で帰った。緊急事態が起こったと言って。祝宴の最中だからと言うことで、ニコに言伝てな」
「あ・・・そう、ですか」
「緊急事態であれば手伝おうとニコが申し出たそうだが、家族に起こった不測の事態故、手伝いは無用と言ったそうだ。何か心当たりでもあるか」
「え。いえ」

予定を変えて、祝宴の途中で抜け出さなければならないくらいの緊急事態って・・・一体何だろう。
それとも、実は何も起こってなくて、バレそうになったから、サッサと帰ったのでは!?
・・・だったらサーシャもいなくなっているはず・・・。

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