イケメンなんか大嫌い
痛くて甘い

朝9時頃に自然と目を覚ました。
普段であれば日曜日の朝なんて、しばらく微睡んで二度寝を楽しんだりするものだけれど、天井を見つめていたらすぐに頭が冴えて来てしまった。

昨夜はお酒が入っていたので寝付くのに苦労しなかったが、夜中に何度か目覚めたことは記憶にある。
だるさの残る身体を起こし、レッグウォーマーのずれた足を引き摺りつつキッチンへ向かった。

ペーパーフィルターにお湯を注ぎ、コーヒーが膨らむ様をぼんやりと見ていた。
広がる芳ばしい香りを吸い込んでも、今日は気分が上がらない。

朝ごはんのデニッシュ食パンをもくもくと頬張る顔は、眉間が寄せられていることを自分でも感じた。
ミルク多めのカフェオレを飲み込んで胸元に暖かさが広がるも束の間、漏れ出るのは溜息。

──あぁ、どうしよう。
未だ頭の中は整理出来ないままだ。
昨夜は不貞寝してしまったから、当たり前なのだけれど。

あまりに目まぐるしく、想定外の出来事に見舞われ過ぎて、脳内がパンクしそうだったから、考えるのを止めていたが。

「考えなきゃ、駄目かなー……」

ぽつりと独りごち、椅子の上で片膝を抱える。

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