キミノテノヒラノウエ。
ルームシェアの解消。
薫ちゃんは順調に回復して
すぐに家に戻る事ができることになったみたいで、

私が仕事をしている間に1人で退院してきて、
仕事が終わる頃車で迎えにきてくれていた。

ただ、その前にマネージャーと風間さんにに高級なお酒を用意して、
店に挨拶に来ていたみたいで、
私は3時までの仕事が終わると、
風間さんの部屋に電話で呼び出され、
…何かヘマをしちゃったのかな…
と、ドキドキしながら行くと、

風間さんやマネージャーとすごく楽しそうにしている薫ちゃんがいた。

…なんで仲良くなってるの?

私が驚いた顔をすると、薫ちゃんは

「では、お世話になりました。
引き続き早坂をよろしくお願いします。」と挨拶をしてから、

「じゃあ、帰ろうか。」と私の頭をポンポンと撫でて先に立って歩き出した。

えっと…私はどうしたら…

と私が風間さんとマネージャーの顔を見ると、

「じゃ、今日はこれで帰って。明日からは通常勤務で。」
とマネージャーが私に手を振ったので、

「は、はい!お疲れ様でした!」

とペコんと頭を下げ、ドアを閉めてから、薫ちゃんの後を追いかけた。


「薫ちゃん何やってるの?!
っていうか、今日退院だったの?」と私が後ろで言うと、

「いや、チビスケがお世話になってる人達だろう。
早退もさせてもらってたし、ちゃんと挨拶もしておかないと…
チビスケと結婚する時は結婚式にも出席してもらうだろうし。」

と涼しい顔で言うので

「な、結婚って何言ってるの?」と大声が出る。

「もう、俺から逃げられないだろう?」と薫ちゃんは私に笑いかける。

…いや、それは…そうかもしれないけど…

と私は顔を赤くして薫ちゃんの後ろを歩いた。


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