泥酔ドクター拾いました。
週末深夜の奈緒の事情
金曜日。
ううん、正確にはもう日付が変わって土曜日になった午前1時。

ようやく仕事を終えた私は、蛍光灯の点滅する地下の更衣室で白衣を脱いだ。


看護師になって5年目。

随分着慣れた白衣を脱ぐと、私は無意識に大きくため息が漏れる。



7分丈のフリルのついたトップスにデニム生地のレギンスパンツ。

靴だってナースシューズから、3日前にネイルサロンで施術してもらった今シーズン流行りのカラーを取り入れたペディキュアが見えるようにオープントゥの5㎝程の高さのあるヒールのパンプスに履き替えた。

もちろん、パンプスのヒールは太めに決まっているけれど。



忙しすぎてバタバタしていたせいで、すっかり崩れてしまったメイクも簡単に整える。


満面の笑顔を張り付けた白衣の天使から、きっとどこにでもいる。


ごく普通の女子に戻る瞬間、この時間が私は堪らなく大好きだ。

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