癒し恋~優しく包まれて~
愛された日
翌週の土曜日の10時30分、待ち合わせしているカフェへ行く。


「おはよう」

「おはよう。三上さん、今日はよろしくね」


私は岩田くんの前に座り、ミルクティーをオーダーした。今日は岩田くんの恋人役をする日だ。

岩田くんの両親とは一時間後、この近くにあるフレンチレストランで食事をする予定となっている。

一時間前に私たちが待ち合わせたのは打ち合わせをするためだった。

偽の恋人とバレないためにいつからどのようにして交際を始めたか、普段はどのように過ごしているかを決める。

同期なのでいろんなことを話したり、相談したりしているうちに仲良くなっていき、岩田くんから交際を申し込んでスタートさせた。

時期は入社してから1ヶ月くらい経った頃だから、交際期間はまだ半年。結婚まではまだ仕事にも慣れてきたところだし、まだ若いこともあって考えてはいないけど、真剣に付き合っている。


「で、普段は休みの土日にデートをしているとして……どこに出掛けていることにしたらいいかな?」


健康に気を遣う岩田くんのオーダーした飲み物は100%オレンジジュース。それをストローで飲んでから、腕を組む。
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