JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
純愛
自覚してしまったら、意識したら…

気持ちが一気に加速する。


なのにそれは、ぎゅっと閉じ込めなきゃならなくて。



その気持ちで、響にしんどい思いをさせるわけにはいかないし。

口にしたらきっと…
この関係が成り立たなくなって、傍にいられなくなる。


そう思って、ふいに寂しさに襲われる。



早く響に会いたい。

その声が聞きたい。



仕事帰り、思わず携帯を手に取ったものの…

その人はまだ仕事中だという事だけじゃなく、後で会えるのにとハッとする。


だけどそれをバッグに戻そうとした矢先、着信音が鳴り響く。


驚いて、画面を映すと…
表示された相手は、声を聞きたかったその人で。

途端、心臓が強く高鳴る。



「どうしたのっ?」


「ごめんっ、今ちょっと手が空いて…
憧子さんもう仕事終わったかなって、なんとなく」


どうしようっ…

特に用もなくされたその電話と、思いが伝わったような状況に、嬉しくてたまらなくなる。
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