JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
巡愛
「あさっての休みさっ、憧子さんちに同棲のお礼に行きたいんだけどっ」


「…うん、喜ぶと思う。
また一緒に帰って来なさいって言ってたから」

それは、実家を出る時に言われた言葉で…

「あと、その時は夕食も一緒に食べましょうって」


「マジでっ!?
それ、すごい楽しみなんだけどっ」


喜ぶその人を、込み上げてくる思いで見つめて…

男の色気を纏った、その愛しい黒髪に指を伸ばした。


それは、挨拶の時にわざわざ染めてくれたもので…

最初に見た時は、あまりの艶っぽさにドキドキが収まらなかったほど。



そうやって親に挨拶してくれた事も。
しなくていい謝罪までしてくれた事も。
そして今、こんな事で喜んでくれる事も…

全部が嬉しくて、胸が詰まる。



そんな私を、響も見つめて。

同じようにその指が、ゆるりと髪を通って…
そのまま後頭部に回される。


唇が重なるまでの、この僅かな時間ですら…
悶えて胸が高鳴っていく。

破裂しそうなくらい、すごく。



ふっと、温もりが重なると。


確かめ合って、撫で合って…

ゆっくり絡んで、優しく噛みつかれて…


それだけでもう、身体の芯まで溶かされて…
ありえないほどの快楽が波紋する。
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