ゴミ少女【短編ホラー】
3.廃墟の遊園地
山の中を、死体の詰まったゴミ袋を運び2時間を過ぎた。



疲労が限界近くになったころ、

ようやく廃墟の遊園地にたどり着いた。



音もなく、照明ライトも壊れ、夕日だけが哀しく照らす…



色あせた片目のない木馬のメリーゴーランド。

運転席のシートが剥がれたゴーカート。

雑草の生えた線路の途中で、空っぽの乗客席に連結されたままの蒸気機関車。



10年前から時間が止まり、朽ち果てていくだけの場所…



ギギギーーー



きしむような音に、ビクッとし、ゴミ袋をつかむ手に力が入った。



振り返り、音のする所を見た…



観覧車が回っている!



誰もいないはずなのに!



辺りの様子をうかがいながら、観覧車の真下まで歩いて行く。



風だ…



風でゴンドラが押されて、自然に回ってるんだ…!



俺の顔はほころんだ。



ここだ!



ここなら、誰にも見つからない!
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