「みんなで幸せになると良いよ。」
第4章 別れとか

1.別れの10分前

日を重ねるうちにヒイラギは馴れ馴れしくなった。
正しく言えば、素を見せるようになった。

細く背の高い黒髪は清楚ではなく、
荒々しい女。

気付いたときには僕はもう「ヒイラギ」と呼び捨てで呼んでいた。

椿との二人きりの食事でも「ヒイラギ」の名前を出すようになったが
椿は嫌な顔せずに笑ってくれて、真剣に応えてくれた。
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