[実話]16歳〜私の生きた道〜
遥花
何日かして一般病棟にうつされて、またもとの部屋に戻った。
隣にいたはずの黒髪の女の子はいなかった。
退院したのかと看護師に聞くと、
「遥花ちゃんなら外泊とってるわよ」
外泊か…。
なぜか少しほっとして、またいつもの病院生活へと戻っていった。

2、3日したら黒髪の女の子が帰って来た。
「あれ?退院したんじゃなかったの?」
顔を見たとたんに言われたから少しムカッときた。
「これあげるから機嫌なおしてよ」
笑って私の手に小さな飴玉を握らせた。
その飴玉を口にふくむととても甘くて、ムカッとしたのがばからしくなった。
「おいしいでしょ?」
女の子がいつも笑ってるのは、この飴玉のせいだなって勝手に決めつけた。
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