【SR】だるまさんが転んだ
最終章
「こっちだ。」


振り返らずに小さく発せられたヴェンの言葉は、俊介の耳を素通りした。


耳よりも先に、俊介は歩き出したヴェンの背中を追っていた。


下りていく階段が、果てしないほどに長く感じる。


俊介の背骨をなぞるように、緊張の汗が伝った。


不安と緊張を払拭するように、俊介は警備兵の気配を確認しながらヴェンの背中に話しかけた。


「警備兵は、若いのが多いみたいだな。」


「…ダルコの趣味だ。」


ヴェンの一瞬の間に、俊介の直感は地雷だと警告を発した。


それと同時に、ダルコはバイセクシャルだと確信した。
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