Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
優しさへの逃げ
『…ん…………』

朝かぁ…

――――!?
時計を見て驚いてしまった。

PM 13:00
もうとっくにお昼を過ぎている。

パカッ…
ケータイを開いた。

新着メール 1件
【ケン】

【おはよっ!

今日、マジで最後だからな!】

『あっ!!』
思い出した…。

でも………
ケンは好きだけど、違うんだ。

あこは、あっちゃんが忘れられない…
だから…行けないよ。

『ハァー…』
バフン…
あこは枕に顔をおもいっきり押し当てた。

目の前に浮かぶのはあっちゃんの顔ばっかり…。


コンコン…
「あらっ?…あこいるの?珍しい!(笑)
アツシくんと喧嘩でもしたのっ?(笑)」

部屋に洗濯物を置きに、お母さんが入ってきた。

『…ぅ…ん…』

喧嘩ならいいよ。
仲直りすればいいもん…

別れちゃったんだよ。

「もうっ!
シャキッっとしなさいっ!!(笑)
いいお天気なのに、ダラダラしちゃってっ!」

シャッ…

『――ッ!!』
眩しい…。
お母さんがカーテンを勢いよく開けると、溢れるほどの日の光があこを目がけてさしこんで来た。

あっちゃんを初めて見た日みたい。
眩しかった。

「…だめねぇ…。
あこ!お使い行ってきて頂戴!!」
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