生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
ほーら、来た来た!鬼…いやいや、ボス退治!!


 2月初旬。生徒会室前にて。

 廊下にまでも騒ぐ声が聞こえる中、恐る恐るドアに手をかける。

 ……よし。

 開けようと意気込み、力を入れて握った途端。

「「長谷川先生さよーならー!」」

 女子生徒二人が、俺の背中を叩いて挨拶をして通りすぎて行く。

「さようなら」

 片手を上げようと思ったが止め、ドアを開けた。

「何言ってるのよっ!!!雄太郎に決まってるでしょう!!!」

「何で俺なんだよっ!!タクでもいいじゃんかよっ!!」

「ヒロっちは背が高いからダメなの!!」

「林、早くしろ」

 耳をつんざくような声で言い合いをしている3人。(卓也はひとり冷静に発言しているため)

 顧問(一応)の俺が来ても、誰ひとりとして気付かずそのまま言い争っている。

 自分の頭の中で整理するため、ドアを閉め、軽くため息をつく。

 生徒会室には4人全員揃っていた。

 で、生徒会室の真ん中辺りで、雄太郎と千紗が掴み掛かりそうな剣幕で言い合っていて……。

 雄太郎の後ろの椅子に卓也が座っていて、その隣にはミドリさんが机に座って足をブラブラさせていた。

 はぁー、とため息をつき、再びドアを開け中に入る。


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