ぼくの話をしようと思う
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その日の夜から、ぼくは中園さんに譲ってもらった家で寝た。



ひとりなのがさみしくて、でも中園さんの幸せを思うとうれしくて。



あと、もうすぐ彼女に会えると思うと、なかなか寝付けなかったよ。






それで次の日はね……え?



いや、なにもないけど?



本屋で、大好きな作家の最新作を買ったって話をしようと思って…。



なんだよ、冷たいな。



雑談禁止な決まりでもあるわけ?



あ、そうだ。



電化製品を売ってる店に行ったら、見たこともないディスクとかプレーヤーとか、いろいろあったよ。



あれも、亡くなった技術者がここでいろんな商品を開発してるからだろ?



なんか、生きてた頃の世界より技術が進んでる気がするくらいだよ。



ほんとすごい世界だよな、ここって…。



って、痛いってば。



だから、叩くなって。



わかった、わかったよ。






続きを話そうか。





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