♂性別転換♀
魔力7

思考回路が復活した時には、保健室のベッドで眠っていた。


辺り一面、白い世界。


ベッドを囲むように備え付けられたカーテンは閉めきられて、保健室の全貌は確認できない。


どのくらい気絶していたんだ。


ブレザーは脱がされていて、リボンも外されている。


よっこらせと上半身を起こすと、シャッと勢いよくカーテンが引かれた。


そこには男女の二人組。


いや、二人組なんて簡単に分けられる人物じゃなくて。


俺が詳し過ぎるほど知っている男と女。


「虎ちゃんに、加奈子ちゃん?」


虎ちゃんと加奈子ちゃんは目を真ん丸くしてお互いの顔を見合う。


驚きの表情。そりゃそうだ、二人からしたら俺は今日出会ったばかりの見知らぬ転校生。
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