コンビニラブ
#3
オーナーの親戚の娘は、
やはり、モデルのアンだった。


ごく稀に、このあいだの様に、
仕事で遅くなった時は、
メイクも落とさず、派手な格好のまま、マネージャーにクルマで送ってもらうらしい。

が、

普段は、ぷらぷらと出歩いているようで、
ソレが、まったくバレないんだとか。


スッピンの顔も、もともと品のある顔の持ち主の彼女は、
どちらかと言うと童顔で、
そう考えると、
女は化粧でいくらでも化けれモノなのだと、
つくづく考えさせられるのだった。


「気を付けよう。やっぱり彼女にするなら、外見よりも中身が肝心だよなぁ。」


またも、恋愛からは遠ざかったかにも思える伸治だったが、

オーナーからの、
知らぬ間にかけられていた、へんな疑いは晴れ、

何を心配していたのかも分かった。


(ヲタクに思われてたってことかよ!俺ってそんなに見た目ヤバいか?女がいないってだけで?だいたい、妄想恋愛するほど経験もなけりゃ、ピュアでもねーっつーの!)


「いや〜。伸治くんがミーハーじゃなくて良かったよ〜。だったらもっと早くに教えておいても良かったなぁ。」


時折、伸治のシフトが乱れる理由のひとつに、
彼女のことを、若旦那が現場にクルマで送り迎えしていたこともあったからだと判明もした。


こうして、正体を知ってしまったことで、
もっと、自分の利用価値をあげてしまった気がする伸治だった。
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