おれの恋
〜第9章〜


真っ白で統一された控え室とは裏腹に

まるで、俺の気分を表してるかの様に

ひと雨 降りそうな曇り空。



目の前の鏡に…タキシードを着た俺が映っていて

自分なのに、第三者みたいな気分で見下す。



「光…幸せになりなさい」


そう言って涙ぐむオカン。




白々しい。幸せになりなさい?

なれる訳ない事ぐらい、その小さい脳みそでも分かるやろ?


『喋んな。』


オカンの声を聞いただけで虫ずが走る。


不愉快極まりない…。



「光…。お母さんの気持ちも分かって頂戴。」




コンコン…


控え室のドアがノックされ、開けると

空と貴史と大和が立っていた。



「まあ、貴史君と大和君!久しぶりね。今日は来てくれて、ありがとう」


いきなり、声のトーンが上がるオカン



貴「こ、この度は…」


無理して敬語を使おうとしてる貴史に、
少しだけ和んだ。






オカンと世間話を始める貴史を横目に、大和の方を見ると苦笑いをしている



「空!!いつまで、ふてくされてんの!!」


ドアの前で俯いたまま立ち尽くす空に向かってオカンが怒鳴った…



その時…入って来てから、ずっと黙ったままだった大和が

空の前に立ち、空を庇う


「おばさん!きっと、空も寂しいんですよ!やから、今日は怒らないであげて下さい!!」

って、白い歯を見せて笑う。







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