ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
EPISODE#8
その晩。
私達はそれ以上体を重ねることをせず、
ベッドの上に横になって、明け方近くまでただ話をしていた。
ウシオとサキさんの結婚準備は着々と進んでいるらしい。
それでもウシオは彼女と別れて、私と人生やり直したいというようなことを何度も口にしていた。
本音を言えば私だってウシオと同じ気持ちだ。
…けど、
トモシと知り合って“男の言葉ほど信用できないものはない”ということを学んでいた私は、
ウシオのそれも心から信頼することができなかった。
いずれどこかで泣かされるんだったら、最初から期待しない方がいい…。
そんなことをぼんやり考えていたら、
私はウシオの言葉を子守唄に、いつしか眠りについていた。