不器用なLOVER
Second contact
「始まった…」

授業開始のチャイムを聞きながら呟いた。

「ごめんなさい…私のせいで…」

重ね重ねの失態に、
言葉が出ない。
うつむくと、胸が詰まり
苦しくて…泣きそう。

「…サボる?」

驚いて顔を上げると、
そこには、口角だけを上げた顔があった。

…笑ってるの?
初めてのそれは…、
笑顔とは言い難かった。


黙って歩く彼の後ろを、
黙って付いて行く。

渡り廊下を過ぎ、
階上に昇る。
最上階の隅の部屋の鍵を
開けた。

ここ、前に来たことある。

部屋の戸口には、
《生徒会長室》
生徒会長だけの部屋?
隣には確に、
《生徒会室》
この学校には生徒会長だけの部屋があるってこと

「…凄おい」

思わず感嘆した。

「会長室のこと?
前の学校にはなかった?」

黙って頷く。

中に足を踏み入れると、
大きなデスクに、リクライニング式のチェア…。
小さなガラステーブルに
目を見張る存在感タップリの大きなソファ

どこから突っ込むべきか

「…社長室と応接室の融合だね」

広さも一教室分あるから、充分イケる。

「…まあ、そんな目的で使ってるから」

生徒会議は隣の生徒会室で行われ、
会長室には他校の会長なんか来たときに通す。
簡単に説明をする。

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