〜花魁〜
chapter.LAST



成田が帰って2週間くらいした

――ある日。





蓮さんの所に行くまで、まだまだ時間があったから

呑気に珈琲なんか飲みながらボーっとしていると―…



突然、部屋に響いたチャイムに

重い腰を上げた。




『はい…?』


「あっ…、俺!!」



インターフォン越しに聞こえた懐かしい声に

ビックリして止まったままでいると、



「大事な話があるから…開けろ!!」



そう言ってくる相手に、黙ってオートロックの解除をした。





玄関の鍵も開けて、再びソファーに戻ると

訪問者が上がってくるのを待つ――。




ガチャ…




「…光?」



今更、遠慮がちに上がってくるから

思わず吹きそうになった。




『…久しぶり。』




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