ストレイ・ハーツ〜夢みる王子のねがいごと〜
第 1章 願い人たち


――だれかに呼ばれる声がする。
うららの名前を、呼ぶ声が。


それはひどく懐かしいような、

だけど生まれて初めて聞くような、

なのに泣きたくなるような。


直接頭に、鼓膜に、心臓に。
ふかく響く、不思議な声だった。


だからうららは目を覚まさなければと思った。


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