イジワル王子とお姫様
新たな約束
二人で…朝靄がかかる歩道を、全力疾走した



バカみたいに本気になった


やっとの事で自分の家に到着する


まさか…毎日辿るこの道を、こんなに必死で走る事になるとは夢にも思わなかった


ぜぇ、ぜぇ…


二人の息づかいが、ハモってる


…変なの。似た所が一つもないし、テンポも違う私たちなのに、今この瞬間だけは波長が合ってる気がした


「はあっ…しんどぉ」


ナツキくんは吐きそうな顔をして、そのまま道の真ん中に大の字になって寝転んだ


「大丈夫…?無理し過ぎたんじゃない?」


「こん位でヘバるかよっ。地面が冷たくて気持ちー」
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