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第3章

あの夏の青春






あれから何年経ったのだろう。





あの夏を思い出す。








今日、電車に乗っていると・・・・・・



サッカー部らしき高校生が5人程近くに立っていた。







「今日のダッシュまじでキツかった~」


「あの先生、怖すぎやわ」


「明日の練習試合も、怒鳴られるわ」





そんな会話を聞きながら、


私の心は過去への旅を始めた。







今でも、鮮明に思い出すことが出来るあの夏の青春。





サッカーのことしか頭にない涼くんとの恋愛は、とても寂しくて何度も泣いてしまった。




だけど、あの夏に気付いた。







サッカーしてる涼くんが好きなんだ・・・・・・


サッカーが好きな涼くんが好きなんだって。





ボールを追いかける目。


汗を飛ばしながら、必死で声を出す姿が、


涙でにじんだ。


 



暑い暑い夏。




高校3年生の夏。





何もかもかキラキラと輝いていた夏―――






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