いつでも逃げられる
信頼→疑念
「加奈子ちゃん、今日は何が食べたい?」

立ち上がった男が話しかけてくる。

「……エビフライ」

私はそっぽを向いたまま、男の問いかけに答えた。

「はは、加奈子ちゃんはエビフライが好物だもんね」

彼は軽く笑ってそう言うと、廃屋から出て行く。

「二時間ほどで戻るから、大人しく待ってるんだよ?」

「……」

私の片足には手錠がはめられ、廃屋の細い柱と繋がれていた。

逃走防止だ。

< 51 / 80 >

この作品をシェア

pagetop