不器用なLOVER
ninth advice
「それで私は何すればいいの?」

課題の内容が気になる。
透弥さんのことだからきっと無理難題を言ったりはしないだろうと案外容易に考えてた。

腕を組少し考えている透弥さんを静かに待つ。

それにしても写メりたくなる程に整った顔立ちに見入られた。
羨ましいくらいきめ細かい肌に触れたい衝動に駆られる。
思わず手が伸びそうになった時。

「今は未だ早い。時期が来たら教えてあげる」

透弥さんが目を細める。

それさえ色っぽく感じてしまう。私は今、相当ヤバイ…。

「晶は?僕にして欲しいことあるんじゃない?」

して欲しいこと…。

透弥さんの顔が少し近付く。
気付いてないはず。
私が何を望んでいるのか…。
バレてしまったらどう思われる?
変態?エロい女?嫌われる?
ダメ
絶対気付かせない。

ずっと…勉強中さえもキスしたがってたなんて

「し…して欲しいことなんて…。ないよ」

不自然な程に上擦り噛みまくる。

怪しい…怪し過ぎだ。

目を覗き込むように近付く顔に、鼓動が加速する。
心の奥底まで見透かされてしまう気がした。
吐息が唇に触れてる。
少し動けばキス出来てしまう距離
顔が熱を帯て思考回路が停止するゆっくり瞼が落ちていく。

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