彼の隣りに寝る女
気持ちの変化
その後アミくんを少し遠ざけていた。

なんとなく・・・

キスされたことが嫌だった。

プライベートの電話をずっと無視していた。

するとお店に電話があった。

「アミです。ひなちゃん電話出てくれないから・・・こないだの話考えてくれた?」

無視していると気づいているはずなのに、返事を迫ってくるアミくんはすごいと思った。

お客様としての付き合いなら・・とは言えず

考えさせてと一言返事をして電話を切った。

一方で内くんとは頻繁に会っていた。

私のことを好きと言っても体には全く触れてこないので平気だった。

アミくんから内くんには彼女がいて同棲してると聞いてしまったけど

逆にそのほうが本気にならないのでいいと思った。

内くんは遊びのわかるいいお客さん。

「あんなエロおやじの横に座って触られたりするの嫌でしょ?」

そう言って、いつも閉店までいてくれてそのあと家まで送ってくれる。

そんな紳士的な行動が

アミくんのことがあった今なおさらよく見えて

その内くんの無償の愛情に

だんだん申し訳なく思えてきた。

安いお給料なのに飲み代にこんなに費やして大丈夫なんだろうか?

同棲してる彼女には何て言ってるんだろう?

だんだん内くんのことばかり考えるようになっていた。

そのうち事件は発生した。

その日も内くんの指名を受けて隣りに座って楽しく話をしていた。

すると、白い帽子をかぶって入ってきた若者の姿が私の目に入った。

「!」

ずっと無視していたアミくんがお店にきてしまった。

「ひなちゃん、ご指名です!」

私は内くんに気づかれないよう店長に席移動の相談をした。
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