*ハナコイ*
*3日目*


――――――


「今日は隣国の姫君がいらっしゃるそうです」



その言葉に、私の心臓はドキリと悲鳴を上げた…



王子様が結婚する人…



もやもやした気持ちのまま、いつも通り使用人の仕事をしていると城のロビーが騒がしく湧いた。



「きゃあ。素敵ねぇ…」

「ほんと…素敵な方だわ」



次々に聞こえる声…



私は大勢の人の隙間からその姿を見た。



「綺麗…」



思わず声が漏れてしまっていた。



だってそこにいたお姫様はまるで人形のように綺麗だったんだもの。



きっと王子様ともお似合いだわ…



私はギュッと手を握りしめた。



初めはほんの憧れだったのかもしれない…



でも…王子様とたった2日間話しただけで私は王子様の事がほんとに好きになってた。



いつも優しく笑いかけてくれた王子様。



そんなあなたが…



「すきっ…」



私はひとり、部屋へ戻って泣き崩れた。



王子様を思いながら…
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