先生の青
Color.2 強さと弱さ




 放課後 
教室の掃除当番だった私は

大きなゴミ箱を
ガッコガッコ引きずりながら

校舎裏のゴミ捨て場へ向かった



青々茂る木々の緑で
影ができる校舎裏の道



角を曲がれば
ゴミ捨て場ってところで



「さっさと出せよ」


男子の声が聞こえて立ち止まる



なんとなく壁に寄り身を隠すと




「ぐずぐずしてんなって」


「さっさと寄越せ」


「………でも、もう…本当に」




数人の男子の柄の悪い声と

おどおどした感じの男子の声



見なくても わかる


脅してお金を要求してるんだ




ドクドク……
心臓が嫌な音をたてて早まる



どうしようと考えてる間に
足がすくみ動けない。



「なんで1万しか ねぇんだよ」


「5万は用意しろって
言っただろう」



どうしよう
どうしよう



――――――――ガサッ


立ちすくむ私の後ろから
影がものすごいスピードで
駆け抜けて行った。




「お前らっっ!何してんだっ」




―――――――――三島先生



駆け抜けて行った影は三島先生




「……ヤベェ」


ダダダダ………ッ

数人が慌ただしく走り去る足音が聞こえて



「大丈夫か?」


三島先生の声のあと


無言で走り去る
一人の足音が聞こえた





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