COLORS【桃】出撃☆恋愛応援団
あなたの恋、応援します!
『あなたの恋、応援します』か……。



ここ私立・桜華学院高等部には『恋愛応援団』がある。
その名の通り、相談者の愛の告白を成功させるのが彼らのミッション。例えどんな手段を使っても、らしい。
噂では引き受けた告白の成功率はなんと!九十九・九パーセント。失敗したその確率の方が気になるところだな。

「う~む……」
果たして信じていいのだろうか……?

「ちょっと、邪魔なんだけど」

「あ、ごめん」

俺が腕を組んで考え事していたのは、まさに『恋愛応援団』のいらっしゃる部室の扉の前。邪魔だと言われても仕方なく、慌ててその場から二歩下がった。

「なんか用?」

少し上から目線の少女は、くりっとした大きな瞳、髪の長さは肩につくくらいで、かわいさ的には万人受けするタイプだ。
手には焼きそばパンと牛乳を持っている。
おそらく校内の売店で購入してきたのだろう。

「あの──、えっと……」

しっかりしろ!俺っ!
言葉が上手く繋がらない……初対面のこの少女に緊張しているのか。

「もしかして……依頼?」

「ま、まぁ……」

「なるほどねぇ~。ふ~ん」

その少女の視線が俺の全身を一周する。
頭の先からつま先までそうそう観察されることもないので、照れてしまうのは仕方ないことなのかもしれない。

「……一応合格にしてあげるわ。中に入って」

そういうと彼女は部室のドアを開け、俺を中に招き入れた。
一言言いたいオーラが出ていたけど、この際気付かなかったことにしておこう。
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