雪に埋もれた境界線
第三章 屋敷の見取り図
 食事も終わり、候補者達は談笑していたのだが、食堂の扉が開き執事の磯崎が入ってきた。そして磯崎と入れ違いに、給仕をしていた鶴岡は食堂を出て行ったのである。


「では皆様、食事もお済なようですので、少しご説明をさせて頂きます。今日から一週間、皆様にお泊り頂く際、お部屋は二階にあります。この食堂を出てすぐ左に曲がりますと、次の十字路でまた左に曲がって下さい。その廊下の突き当たりが二階へ続く階段となっております。そして階段を上って頂き、右側が七部屋続き客室になっております。皆様一人一人のお部屋には、それぞれ扉にお名前のプレートが下がっておりますので各自その部屋をご自由にお使い下さい。そして、この一階にはお風呂やサロンがあり、二階には図書室があります。カギは開けておきますので、そちらもご自由にお使い下さって結構です。ただし、他の部屋や三階には決して入らないで下さい。と云ってもカギがかかっておりますが。とにかく屋敷は広いので、場所が分かりにくいかと思います。簡単な屋敷内の見取り図を用意致しました。どうぞご覧下さい」


 そう云って磯崎は無表情のまま、屋敷の見取り図が書かれている紙を一人一人に手渡した。

 陸は屋敷内の見取り図に視線を落とし、まず自分の部屋を確認した。

 陸の部屋は階段を上り、右側の一番手前、二0一号室。次に二0二号室から二0七号室は清掃員の木梨、キャバ嬢の久代、職業不明の高田、パートの相馬、会社員の座間、奥の部屋は空き室という順番だった。そして二階の左側には図書室とコックの部屋が二つあり、その他、大きな部屋が二つある。奥にある一つの部屋は面接で行く部屋らしいことが記されていた。

 それにしても、随分広い屋敷だな。

 図書室もあるみたいだし、そのうち行ってみなければな。時間はたっぷりあるのだから。


< 16 / 95 >

この作品をシェア

pagetop