tokimeki*train
本性


明とは何となくギクシャクしたまま駅で別れた。何だか心配そうに私を見ていたけど…

私は気持ちを切り替えて、電車のクマさんにお礼する事を考えて始めた。

色々と悩んだ末、形に残らない物の方が相手にとってもいいかな?と思い、クッキーを焼く事に決めた。

こんな何の取り柄の無さそうな私でも、料理だけは得意で。

小さい頃から、忙しい両親に代わって私の面倒を見てくれたおばあちゃんから、色々と伝授を受けた。

なので、和洋中何でも大丈夫。お菓子も得意なのだ。

今までの17年間、彼のいた事ない私は、この能力を調理実習でしか披露出来てないけどね。

何てかわいそうな私。乙女なのにね。自虐的に心の中で笑った。

そうと決まれば、早速材料を買いに行こう。

自分でも急にウキウキした気分になった事にびっくりしながらも、帰りのいつもの電車に乗りこんだ。


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