カラカラライフリズム
幸枝
……一体、幸枝は誰の仇を討ちに来たのだろう。

一樹は何となくそう思って、


目を閉じた。



「…やめろ――っ!」


突然ガチャーンッ!と、
乱暴にドアが開いた。

樋口だった。

幸枝は信じられない、
というように息を呑んだ。


「嘘でしょ……何で、
こんな丁度良く来られるのよ…!」


「生憎だが……こいつの部屋には、
盗聴器が仕掛けてある。
一樹も知らねぇ……だが、あんたの今まで喋った事は、
全部筒抜けだ」

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