【短】偽りのチョコ
勇汰の玩具
『金が欲しいなら、俺の言うことを聞けよ…イチゴ』

サイテー

サイアク

なんなのよ、あの我儘男は!

あたしはマックのポテトを口に入れながら、「はあ」と深いため息をついた

「どうしたの? 財布はすっかり潤ったのに、イチゴの顔が怖い!」

モモが、不満そうな顔をして声を出した

今日はミカンは居ない

男とデート…らしい

あの子は、遊んでいそうで意外と真面目だ

彼氏がいるんだから

あたしとモモにはいない

彼氏という特定の男なんてものはいらないんだ

面倒だし、一人の男の世界にとどまるなんて息苦しい

「チョコ、あげなきゃ良かった」

あたしはまたため息をこぼす

「昨日の男の子にあげたんでしょ? ありゃ…すごいねえ。テルがめっちゃキレてて怖かったよ~」

モモが苦笑いをした

「車…どうした?」

「イチゴの知り合いなら、イチゴに修理代を出させろ…だってさ」

モモが申し訳なさそうな顔をして、あたしに手を出してきた

あたしはにっこりと笑うと、財布から五万を出す

「はい、どうぞ」

「いいの?」

「んー、嫌だけど。モモがあの男に怒鳴られるのが、もっと嫌だから」

「ありがとー。車には煩いんだよねえ」

そう言いながら、モモが腫れている頬を擦った

殴られたのだろう、あの大学生の男に


< 10 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop