【完】最期の嘘
第五話『心冷える-Shin bie』


優太から連絡が来たのは、もう眠りに就いた後の深い時間帯。



しかし、ここ数日、いつでも優太が帰って来て連絡をくれた時反応出来るよう、あえてマナーモードにしていなかったのですぐに目が覚める。



メールを開くと、絵文字もなしで『今からそっちに行く』と短い文が書いてあった。



『分かりました』と汐が返すと、早々にインターフォンが鳴る。



汐は寝起きでけだるい身体を急いで動かし、玄関口を開く。



笑顔で開く汐の先にいるのは、いつもの優しく穏やかな笑顔の優太…ではなく、感情の読み取れない瞳を持った、見たことのない優太である。
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