汚れた街の汚れなき天使
【第4章】初めてのご挨拶



翌週。



この日の為にスーツを新調して、俺は駅でまりあを待っていた。



ドクンドクン。


早鐘の様に鳴り響く心臓はこんなに打ち過ぎたら寿命縮むんじゃ!?って焦りたくなるぐらいで……ま、俺が思ったところで止まってなんてくれないんだけど。




「海人!!!」



1週間ぶりに逢うキミ。

良かった。

まりあは俺の彼女でこれは夢じゃない。




彼女の感触を確かめるようにぎゅっと抱きしめた。



腕の中のまりあは今日も笑顔で少しだけほっとする。




「よっ!!元気そうじゃん」


「海人も……あれ??顔かたいよ??」



……図星。

顔にまで出てんのか、緊張が。そりゃちょっとマズイんですけど。





「いーから!!ほら乗って。どっち走ったらいいのかナビしてくれよ?」



「え……と自信ないけどやってみる!!!」




今日のまりあは淡いオレンジのワンピース。サラサラの髪には宝石みたいに光るカチューシャが添えられていて魅力大。

指とか細いしなぁ……指輪買うとしたら何号なんだろ?




いつか、俺が買ってやれたらいいな。




そう、まりあはほとんど装飾品をつけない。

服も、バックも、まりあが着るから引き立てられているだけで別にブランドものでも何でもない。




やっぱり働いたお金は全部親に渡しているんだろうか?



これから会うであろう……見知らぬまりあの父を思うと、俺の心はちくちく痛んだ。




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